可視化することと言語化すること

私たちは、情報のやり取りをしながら生活しています。視覚や聴覚から得た情報を相手に言葉で説明したり、

文章を書いて伝えたり、言語を基本にしてコミュニケーションしながら、日常生活を送る生き物です。

さらにその情報を正しく、わかりやすく確実に相手に伝えるために、言語化すると共に可視化することで、より説得力が増していきます。

 

プレゼンテーションをしたり、ポートフォリオをつくる上で大切なことは、作品の狙い、伝えたいこと、制作過程など、作品についての説明を、画像や映像、言葉を使って相手にわかりやすく説明することです。

また、ある議題、問題を解決するために議論する際、言葉による丁寧な説明と、その解決策やアイデアを視覚的に見せることによって、より確実に相手に伝えることができます。

 

 しかし、美術作品やデザインされた製品が人々や社会に対してどのようなメリットがあるのか?どのようなメッセージが込められているのか?作者自身が、「見ればわかるでしょ、使ってみればわかるでしょ」なんて姿勢では信頼性に欠けてしまいます。

「本当にこの製品安全なの?この情報は正しいの?」期待どころか、不安ばかりが残り、これでは誰も欲しいとは思わないでしょう。信頼を得るためには、説明、言語化が必要なのです。

 

 情報を第三者に確実に正確に伝える場合、「裏付け」があるとより信憑性、信頼性が増します。

そのために可視化した情報をさらに言語化することよって理論的に説得でき、相手を納得させることができるのです。

確かに、芸術作品は言葉要らずの素晴らしい作品もありますが、表現したいこと、伝えたいことを作者自身が自覚していなくては、メッセージ性の強い作品は生まれません。

言語による理論的裏付けを作者自身が持ち合わせているからこそ、説得力のある作品に仕上がるのです。

 

可視化は、情報をより明快に、わかりやすくし、言語化は、情報を理論的に補強し、信頼性を増してくれます。