クリエイティブってなんだろう

生徒さんの親御さんと意見交換する機会を与えていただきました。とても大切な課題を投げかけていただいたので、一部この内容を掲載したいと思います。

 

最近、話題になっている「画像生成AI」と、「クリエイティブ」(ものづくり)についての内容となりました。このことにつては、大勢の方が議論していますし色々な情報が行き交っています。こういった技術革新の際は、期待もあり、反面、予測不可能な点もありますので、不安なこともあります。そういった時代に直面している中で、大人も、子供も(ここでは、特に10代半ばから後半の中高生)どのような意識で新しい技術や環境と向き合うえば良いのか?

というような内容のお話しとなりました。

 

まず、クリエイティブについて、親御さんから以下のようなご意見をいただきました。

「クリエイティブな仕事で大事なことは、

・実際に見たり経験したりして(体験)

・感動したこと、感じたこと(理解)

・思ったこと、伝えたいこと(見解)

・それをどうやって伝えるかの視点や切り口(方法)

・そして最後に表現というアウトプット(表現) かなと思います。」

 

このようなご意見を頂き、私もその通りだと思いました。中高生にとっては、少し難しい内容かもしれませんが、親御さんの実感の伴った言葉や、助言が中高生のお子さんにとって、力強いものとなると思います。

 

そして、指導する側として、このことについて中高生の生徒さんに照らし合わせて考え以下のようなお返事をさせていただいました。

 

上記の親御さんからのご意見「クリエイティブな仕事で大切なこと」の中で上からから3つについては、ある程度は、個人の成長段階で自然と身に付くことだと思っていますが、我々、大人世代の経験と今の中高生が成長段階で経験してきたこととは、かなりのギャップがあるなと感じています。 デジタル環境や少子化など、私たちが子供のころとは違った環境の中で誕生し、生活しているからかもしれません。 大雑把に言いますと、実体験に対する価値観について我々とギャップがあるといい ましょうか。

転んだ際どんな痛みがあるのか、どう立ち上がるのか、失敗を次にどう活かすかなど実体験から都度反射的に学び、自然と理解する、この一連の作業が大人になって いく上で当然のこと、ステップアップに欠かせないものだと暗黙の了解でいまし た。(ものづくりの際も、その都度、得な選択をするには、試行錯誤があり、失敗があり、そこから正しい答えを導き出し、さらに磨き上げ、よりクオリティーの高い結果を導き出します。これが当然のやり方であり、その地道な過程を経て人間の 成長がありました。)

 

しかし、今の世代は、そういった実体験自体を情報によって補っている(全てではないです)傾向があるせいか、情報収集はとても長けていますが、失敗することに強い抵抗 があるのかもしれません。そのためか、情報に頼りすぎて、自分と向き合ってよく考える前に、少々短絡的に物事を判断しがちな傾向が広がっているのかな、と感じています。仕事柄、毎年のように中高生を次のステップへ送り出していることもあり、こういった変化をひしひしと感じています。

 

 

だからといって昔が良かったとかそういう問題ではなく、生きている以上、社会全体が変化することは、当然ですから、その都度どう向き合うか?という姿勢を大人が責任を持って伝えることが大切だと思います。 新しい情報や技術は受け入れながらも、それに頼りすぎず、実感を伴う体験や経験 を子供たちに伝えていく作業を根気よく持続するということでしょうか。

指導させていただいている生徒さんを見ていると、失敗を活かせた時に自己肯定が上がります。これは当然のことなのですが、彼らにとっては、今この時(10代後半)に失敗と成功を体験できたこと自体がとてもリアルで、輝かしい経験となって いるようです。自分と向き合えたという実感だと思います。 

情報や選択肢が多く、簡単に手に入れることのできてしまう環境の中で、自らの力で失敗から這い上がるところまでを大人が、根気よく見守り、段階に適した機会や言葉を、さりげなく与えることが、改めて必要な時代なのだなと感じています。

 

 

つづく。