黄色と紫の組み合わせ。美しい配色の定番ともいえますね。黄色と紫は補色関係にあり、しかも明度差のある色相関係でもあります。
左作品は紫ベースに、黄色。仄暗い夜景に、あかりが灯る、抒情的な絵(中学生の生徒さん 写真模写 透明水彩)
右作品は、黄色ベースに紫。とにかく明るく、暖かさやエネルギーがが伝わる(小学生生徒さん、静物アクリル画)
黄色と紫は、色彩の美しさと共に、明るさ、暗さ、光と影の演出効果を引き出せる配色でもあります。
この2作品にはもう一組補色関係があります。
左作品の左上、尖った屋根が緑、そして窓が赤
右作品の真ん中のロゴ、ラベルが緑と赤
この2色がアクセントとなっています。
指導する側が、後から理屈っぽく解説するとこんなふうになりますが、この生徒さん二人とも、モチーフの観察から色を直接感じ取り、配色しています。自然発生的という言い方もできますし、感じたままそのままに、という意味合いで必然でもあるのです。
配色は、共感覚の極みでもありますし、理にかなったことでもあります。
美しい!綺麗!と感じることは、私たちの意識の中で起こったパッション。素直な気持ち、感動。
私たちも他の生物と同じように、自然の摂理の中でその一部となって生かされていることに気付かされます。
反射的に起こる感覚や運動は、動物として誤魔化せない衝動です。この反射的に起きる感覚があるからバランスを保って生きていけるのだと思います。
その反射運動のうちの一つでもある、「ついつい、目を奪われしまう」色への人間の反応も、美に対する完璧な衝動、共感覚ともいえるのではないでしょうか。
なぜ、このような色への感覚や欲求が人間に備わったのでしょうか?なぜ必要だったのでしょうか?
絵画は、知らず知らずと「人は、なぜ・・・?」と自分自身に問いかける仕掛となって鑑賞者を魅了するものだと思います。